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ライブの感想などを書いています

THE JIVES "SHOUT" 感想

何ヶ月寝かせたんですかというくらい今更のブログを書きます(………)。

 

俺たちの最高のバンドが最高の新譜を出したから聴いてくれ!!
(聞き覚えのあるタイトル…)

 

8月に俺たちの最高のバンドことTHE JIVESが出した「She Heard Out Usual Troubles」通称"SHOUT"がマジでめっちゃ良いから全人類に早く聴いてほしい。
そして私が3ヶ月くらい溜めこんでたこの気持ちを聞いてくれ、いや私のキモチワルイ気持ちは聞かなくてもいいそれよりSHOUT聴いて…………。

 

※MVもある Youtubeにある 見て

 

* *

 

「これ本当にTHE JIVES!?」

同じくTHE JIVESを愛してやまない友人たちに1曲目のイントロで送ったメッセージがこれ(語彙…)。悪い意味ではなく、むしろあまりの嬉しさに飛び出した言葉だった。真夏なのに指先が冷たくなっていくのは、期待に胸が躍るから(興奮すると血の気が引くのが常だ)。4曲。この4曲を聴くためにTHE JIVESに出会ったと言ってもいいと思うほどに。

第一印象なんて遠く思い出せないくらいに聴いた。今までのTHE JIVESのなかで一番聴いたのではないかと考えるほど聴いた。2ヶ月も何も書けずにいたのは、聴く度に新たな印象を、ライブを観るたびに新たな表情を、見てしまうから。ここから先の感想は何度も何度も重ねた感想だ。

 

She Heard Out Usual Troublesに収録されている4曲は、THE JIVES自身が改めて「俺はこんな人間だよ、じゃあお前はどうなの?」という疑問を、自身すら掘ったことのなかったような深さからぶつけ合い、向き合っているように思える。メンバー4人が其々1曲ずつ作詞・作曲を手掛けている、ということを知っているからかもしれないけれど。

そう、このEPの特徴は4人ともに作詞作曲をしていることだ(と思ってる)。メンバー同様、其々の個性が強く、どの曲からも爆発的な熱量を感じる。まるで「THE JIVES」そのものであるかのように。


「Slum-blu」を聴くと終電の近いあの街を思い出す。1年だけ暮らした街。空虚なヒールの音、わざとらしいとすら感じる喧騒、星を消すネオン、低い音と人工的な光の漏れるクラブ、眠りからほど遠い街に佇む、怒りにも似た孤独な微睡み、乾いた手。なんかそういう感じ。「じざつく」という不思議な言葉に、だけど確かに記憶にあるその感覚に、共感してしまう。この曲の喉の奥から噎せ上がるようなもどかしい「叫び」に、いつも背中を押される。


一見(一聴?)すると跳び跳ねたくなるような明るさだけど、その内に不満やコンプレックスが押し込められているように感じる「Hack lt Down」。この曲は「吐き出せ、叫べ」と訴える。己に言い聞かせるかのように。自分自身に手を差し伸べるかのように。「インスタントな竜宮城」というフレーズがすきだな。笑っちゃうほど皮肉でキュートだ。


夏の夜風のように爽快感のあるサウンドと小説を読んでいるような歌詞の世界。その魅力に聴き惚れてしまう「3lind Sun」。
「3lind Sun」はライブで一層魅力が増す。強さを象徴するバンドの音に個性の異なる2つの歌声が乗り、闇も光も纏めて吐き出すような印象。このEPのうち最も詞が少ないにも関わらず、最もロマンティックに世界に抗う。


そして最後を飾る「Growth Pain」。憂鬱な溜息のような曲だ。初めて聴いたときの小さくて、深くまで響くような痛みを、確かに覚えている。「叫び」と「祈り」は一体のものなのだと知った。そして「光」と「闇」はいつも隣にいるのだと。
ライブで聴くたびにこの曲が進化し続けているのを感じる。「叫びたい」それがどんどん具現化していくようだ。痛みを伴いながら。この曲の辿り着く先に、どんな未来が待っているのだろう。その未来でこの曲はどんな意味を持つのだろう。それが見たいと、私は思うよ。


なんと似ていなくて、それでいてとても似ている4人なんだと思った。この4人だったからこそ辿り着いた場所、そしてこの4人だったからこそ立つことのできた出発点、それが「She Heard Out Usual Troubles」なのだろう。


ジャケットのあお色はこのEPが完成したあとに決まったのだろうか。青くも蒼くもあるこの4曲に、こんなに相応しい色は他にない。
聴けば聴くだけ気軽には聴けなくなって、聴けば聴くだけ苦しいほど愛おしくなる。そんな4曲だ。

過去ですら味方に、進め THE JIVES!